届けたいのは本物への情熱 しいたけブラザーズ
しいたけブラザーズが贈るしいたけ通信

原木しいたけの魅力や、からだにやさしいしいたけのお話

その他最近気になる話題など、しいたけブラザースの目線

でつづっています。どうぞご覧下さい。

2008年3月号【Vol.17】  タイトル : 「山育ちしいたけ・春子」の季節がやってきました!

今年の冬は寒さが長引いて発生時期が遅れるかも・・・・と心配したのですが、ここ数日の暖かさと、まとまった雨のおかげで、山に置いてあるしいたけのほだ木から、一斉に芽を出し始めています。
あと1〜2回雨が降れば、いよいよ一年で一番忙しい(でもうれしい)春子の収穫が始まります。
通常1週間ほどの収穫時期しかないのですが、当園では標高差を利用して3月下旬から4月下旬までの約1ヶ月間、「山育  しいたけ」春子の収穫が続きます。
ハウスで栽培しているしいたけに比べ、よりジャンボで肉厚、そのダイナミックな風貌は「これがしいたけ?」と思われるくらいのものもたくさん採れますよ。

現在乾燥しいたけの在庫もほとんど無くなってしまいご迷惑をおかけしていましたが、この「山育ちしいたけ」春子をどんどん干して、4月中旬頃にはまた干したての乾燥しいたけも再開できると思います。

直売所や宅配はもちろん、3月26日〜4月1まで松坂屋本店での試食販売でも「山育ちしいたけ」春子の初物を持って行けそうです。
また、今年は「山育ちしいたけ」収穫体験イベントを開催する予定です。日時やイベント内容など決まりましたらまたホームページで紹介しますので、どうぞ楽しみにしていて下さいね。

by 長男 ナオヒト

山育ちしいたけの芽(赤ちゃん)です 
 ▲山育ちしいたけの芽(赤ちゃん)です        ▲しいたけのほだ木

2007年11月号【Vol.16】  タイトル : なめこが不作です・・・

薫るきのこシリーズの「なめこ」は、当園でも人気の高い季節のきのこですが、実は今年はほとんど失敗してしまいました。
原因は、夏の猛暑になめこの菌が耐えられずほとんど死滅してしまったためだと思います。
この辺りでも40℃まで気温が上がった日があり、元々高温に最も弱いなめこの菌が、たった数日の猛暑でダメージを受けました。
例年だと、11月にはいるとポコポコと芽が出始めるのですが、今年はまばらにしか芽が出ず、8割ぐらいは、雑菌に侵されて病気になってしま
いました・・。
僕もなめこは大好きなので、「あ〜、あの猛暑の日に、もっと何とかしてあげていればこんな事にはならなかったのかも・・・」と後悔しています。
しいたけの専業農家のため、どうしても「しいたけ」の管理に気を奪われてしまい、これらのきのこに気を配ってあげられなかったことが一番の
原因だと思っています。
楽しみにして下さっている方には大変申し訳ありませんが、今年のなめこはちょこっとだけの収穫になりそうです。

by 長男 ナオヒト


2007年10月号【Vol.15】   タイトル : マイタケ物語

彼岸花が満開に咲いている今の時期は、例年より10日ほど遅い様に思います。
秋はしいたけだけでなく、いろんなきのこの旬の季節ですが、今回、特別栽培しているマイタケのことをちょっとご紹介します。

原木栽培にこだわってしいたけを作っているのですが、それは本物の「木の子」を作りたい為です。増収剤や栄養剤に頼った菌床栽培ではなく、木の栄養のみで長い時間をかけてじっくり育てる方法は、しいたけだけではなく他のきのこにも応用できるはずです。
市販されているマイタケ、シメジ、ナメコのほぼ100%は菌床栽培ですので、原木の栄養で育ったこれらのきのこの味を知っている人はほとんどいないと思います。

原木に穴を開けてしいたけの菌を接種する際、おがくずが出ます。そのおがくずに水を混ぜて袋に詰め、水蒸気の熱で殺菌したあと、マイタケの菌を接種します。このおがくずに、栄養剤や増収剤、殺菌剤などを混合して袋詰めすると「菌床栽培」になりますが、当園では、おがくずと水以外は何も入れません!
「そんなんじゃ、きのこは生えてこないよ」と、菌床栽培の生産者は思っていると思うし、実際何年も失敗して諦めかけました。
たとえ耳かき一杯の栄養剤でも、入れてしまえば「菌床栽培」になってしまう・・・天然と同じ「木の栄養」のみできのこを作りたい!と強く思っているので、たとえ少量でも栄養剤は絶対入れません!
最初の何年かは失敗の連続でしたが、ここ何年、いろんな事が分かってきて、この時期(10月10日前後)にはたくさんのマイタケを収穫できるようになりました!

栄養剤をおがくずに混合しないと、培養期間は菌床栽培に比べて何倍もの時間がかかりました。(約1年)
土の中にその培養済みのおがくずブロックを並べて埋めて、さらに半年たった秋、写真のように土の中からマイタケの赤ちゃんがぽこぽこと出てきます。

イノシシにほじくられたり、かぶと虫の幼虫に食べられたり・・・いろんな苦難を乗り越えて、一年にたった一度だけ一斉に花開くように発生します。遠くにいても香りが分かるくらいマイタケのいい香りがするし、大きなものは一株が5Kg程もある(写真)マイタケも生えてきたことがありました。毎日収穫するしいたけと違って、一年にたった一度の収穫は「舞いたくなるくらい!」うれしいです。

秋の訪れが遅い今年は、ようやく芽を出した程度で、収穫までにはもう10日ほどかかりそうです。彼岸花にしろ、マイタケ(舞茸)にしろ、自然界の生き物はちゃんと「季節」を感じているのだな〜。

by 長男 ナオヒト




 ▲マイタケのブロックを埋めている様子


▲まいたけの芽(赤ちゃん)が出始めました


▲ジャンボまいたけ。
大きい株は5kg程にも成長します。


2007年9月号【Vol.14】   タイトル : 失敗!

先日の台風が関東から北日本に上陸しているとき、東海地方でも大雨が降った場所がありました。
しいたけは昼夜の温度差が10℃以上つくと肉厚で大型のキノコに成長するのですが、35度以上の高温が続くと芽が死んでしまい、大きくなりません。

つい1週間前までは秋を思わせるような空気を感じたので、クーラーの設備がある夏用のハウスではなく、冷房設備のない秋用のハウスの中でしいたけを作り始めているときでした。
順調に芽を出して後2.3日で収穫できそうな頃、あの台風がやってきました。
この辺りは、アルプス山脈に雨雲がぶつかって長野県側に大雨を降らせ、その西側の岐阜県では、ほとんど雨が降らず、一晩中生暖かい強風が吹きました。
翌日は台風一過で真夏のような太陽が照りつけ、たった1日でしいたけが弱ってしまったのです。
今日は、そのハウスの中の弱ってしまったしいたけを「ごめん・・暑かったろうに・・・」と思いながら片付けました。

天候に左右されやすいのが原木栽培だ・・・と言ってしまえばそれまでですが、天候を予測してしいたけの成長具合を見ながらハウスの管理をしていく技術がまだまだ足りなかったと反省しています。
特に季節の変わり目はその見極めが難しく、たびたびお客様にご迷惑をおかけしてしまって、申し訳ない気持ちになります。

今回も、数社のお取引先の方々や、ホームページなどから注文してくださった個人のお客様に発送の延期やキャンセルさせてもらったのですが、ちょっとした判断ミスが多くの待っていてくださる方をがっかりさせてしまい、反省しています・・・。

栽培歴わずか10年の僕ですが、1日たりともしいたけの事を忘れる時はありません。日本一美味しいと言ってもらえるようなしいたけの生産者になれるよう、気を引き締めて頑張ります!

by 長男 ナオヒト



2007年8月号【Vol.13】   タイトル : 暑い!

昨日は朝から30℃を超え、午後には気温40℃になりました!
しいたけ菌の活動は30℃を超えると急激に衰え、35℃以上では危険な状態になります。
昨日は一日中椎茸のことが心配で心配で、「だいじょうぶか〜」と、あちこち何度も木に触っていました。木に触り、手に伝わる表面の温度が、高熱を出した子供の額くらいになっているものは、強制的に水をかけて少しでも冷やしてやるのですが、今日も昨日と同じくらい暑く大変です。それに中途半端に散水するとかえって蒸れてしまって逆効果な場合もあり、散水するかしないかは「賭け」のようです。(悩んだのですが、水をかけました)

例年通りの暑い夏・・・というくらいの暑さはしいたけ菌にとって必要なのですが、ここ2・3日の暑さは、異常です。影響が出てくるのは今年の秋以降ですが、もうしばらくは気が抜けません・・・
物言わぬしいたけの木ですが、じっと暑さに耐えている声が聞こえてきます・・・。
しいたけ菌が頑張っているのだから僕だって夏バテなんてしていられません。
それにしても、ギラギラと照りつけるお天道様がうらめしい〜。

by 長男 ナオヒト



 2007年7月号【Vol.12】   タイトル : いろんな子供たち

今の時期は1日3回、朝、夕方、夜中に収穫するのですが、しいたけハウスに入って、暑すぎないか乾きすぎていないか、光は十分足りているかなど、毎回しいたけの顔色を見ながら収穫しています。

ハウスの入り口を1メートル分だけ開けておくか、閉めておくかだけでも、翌朝のしいたけの様子はがらっと変わります。しいたけに愛情を注いだ分だけ答えてくれるように思うので、まるで子供を見ているかのようですよ。

ハウスの中はしいたけ菌にとって快適な環境にするのではなく、あえて厳しい過酷な条件(昼夜の温度差を大きくつけたり、昼間の湿度を低くしてカラカラにしたり・・・)をつけた方が身が締まって、肉厚でたくましいしいたけに成長します。
でも、適度なストレスを与えた後は、湿気を与えたり、涼しくしたりしてあげると、生き生きと喜んで、よりたくましく成長していきます。まるで人間の子供と似ていますね。

1日に5000〜10000個のしいたけ達を一個一個もぎ取りながら、大きいもの小さいもの、足がやけに太いもの、傘がハート型をしているものなど、いろんな形のしいたけに出会います。
せっかく固い樹皮を破って過酷な環境の中で一生懸命成長したしいたけを絶対無駄にはしたくないし、「よくぞ頑張ったね」と他のしいたけ達と同様の愛情が湧きます。

前回、足のやたら太いしいたけを載せましたが、今回もちょっと珍しい子供達を見てやってください。個性があるでしょ。
当園のしいたけを購入された方は「スーパーで買ってくる均一な形をしたしいたけと違っていろんな形のしいたけがあるな〜」と思われるかもしれませんが、そういった理由があるんです。どうかご勘弁を・・・

by 長男 ナオヒト


 ▲5つ子ちゃん               ▲とんがり帽子君

 2007年7月号【Vol.11】   タイトル : しいたけの軸(あし)

当園の椎茸はよく、「軸が太いね〜」といわれます。
木の栄養分をしいたけの傘に運ぶパイプの役目をするのが軸の部分ですが、一般に軸が太いほど傘も大きく、肉厚になります。
傘の部分と軸の部分では食感が違いますよね?傘はプリプリとした歯応え、軸はシャキシャキとした歯触りが楽しめます。
この軸を捨てている方がいるのですが、なんともったいない!ことでしょう・・・
食べられないのは、軸の先端の「石突き」と呼ばれる部分だけで、軸にもたくさんの栄養がありますし、何より傘の部分より味が濃い様に思います。

軸の部分は、輪切りにするよりか、たてに裂いて料理に使っ方が食感が良くなります。

きんぴらにしてもよし、炒め物やみそ汁の中に入れても存在感のある具になりますよ。

また、乾燥椎茸の軸の部分は、水戻しする前にちぎって、醤油差しの中に入れておくと「だし醤油」になります。ぜひ一度おためし下さい。

ちなみに、原木しいたけ栽培にとって、サルの被害がありますが、サルはしいたけの軸だけ食べて、傘の部分は捨ててしまいます。本能的に
美味しい部分を知っているのかも・・・

by 長男 なおひと



2007年7月号【Vol.10】   タイトル : 広葉樹の森をつくりたい!


原木しいたけ栽培の「畑」は、15〜20年生のコナラやクヌギの木です。

これらの広葉樹は、一度伐採すると切り株から新たに新芽が生えて成長していくので、再生産可能な森の恵みです。

昔は薪や炭の材料として、またしいたけ用の原木として管理された里山が各地に有ったはずですが、近年原木しいたけ生産者が激減して、里山の広葉樹を手入れする人も減り、荒れた里山をよく見かけます。

去年あたりから里山や民家まで「クマ」が出没するのは、里山に人が入って管理しなくなったせいではないかと思います。

僕の夢は、もう一度、自分が子供の頃、近所の里山でクワガタを探したり、探検ごっこをしたような広葉樹の森を復活させたいと思っています。その森の中でしいたけを栽培し、都会の人たちと交流しながら、ゆっくりくつろいでもらえる場所を提供する・・・想像しただけでもわくわくします。その第一歩が、ドングリを拾ってきて畑に植え、2年かけて苗木に育て、山へ植林していきます。

春に植えたドングリの実は、今30cm位の高さになりますが、雑草の成長の方が早く、2ヶ月に一度草取りをしなければいけません。昨日蚊に刺されながら半日かけて草引きをしました。広葉樹の森になり、しいたけ用の原木として使える大きさになるにはまだまだ十数年先ですが、僕の孫がその森で駆け回っている姿を想像すると楽しみです。

毎年こつこつ1000本ずつ植えていきたいのですが、当面の悩みは、なかなか苗木を植える適した山が見つからない・・・でも少しずつでも、毎年その夢を思い描きながら苗木を育てていきたいと思っています。

by 長男 なおひと



2007年7月号【Vol.9】   タイトル : 「どんこ」ってどんなしいたけ?

 しいたけの名前で「どんこ」といえば高級なイメージが湧くと思います。
 よく「どんこってどんなしいたけのことをいうの?」と質問されることがあります。
 ココにもおもしろいカラクリがあるので、今回は正式な「どんこ」についてお話ししたいと思います。

 どんこ・・・漢字で書くと「冬磨vと書きますが、実は、乾燥椎茸の規格の一つの名前です。
 しいたけを収穫する際、まだ傘がつぼみの時に収穫して乾燥させると、どんこになります。
 傘が全開に開いたものを収穫して乾燥させると、「香信(こうしん)」という規格になり、「どんこ」と「香信」の中間くらいの傘の開き加減のも
 のは「こうこ」という規格です。

 肉厚で見た目がよく、贈答用など高級品としてどんこは定着していますが、最近、生しいたけでも「どんこしいたけ」と呼ばれる風潮があります。
 実は、中国産の生しいたけが輸入されるようになってから、中国産しいたけの商品名に「どんこしいたけ」という名前を付けて売り出したため、
 生しいたけにも「どんこ」という呼び方がされるようになりました。
 生しいたけにおいては、決して「どんこ」だから美味しいとか高級とかいったことはありません。
 前回のしいたけ通信でも書いたように、食べ頃は、しいたけの傘がある程度開いた方がおいしいですが、つぼみで収穫することによって見た
 目がよく、またそういったしいたけに「どんこ」という名前を付けて高級感をだしているだけなんです。

 乾燥椎茸でも、だしがよく出て風味がよいのは、「どんこ」ではなく「こうこ」や、「香信」といった、開いて完熟してから乾燥したものですよ。
 もちろん、乾燥椎茸の「どんこ」も、肉厚で歯応えや食べ応えもあり、贈答用などに喜ばれますので、用途によって選ぶのがいいですね。



2007年6月号【Vol.8】   タイトル : 「干し椎茸の上手な戻し方」

 干ししいたけの旨みを最大限引き出すには、冷たい水でじっくり水戻しすることが必要です。
 急いでいるからといって水道の水や、ぬるま湯や、電子レンジで”チン”すると、確かに早く水戻しできますが、旨みはほとんど出てきません。
 5℃の水が一番良いそうですよ。なので、水に浸したあと、冷蔵庫の中に入れて一晩浸してみてください。
 びっくりするほど風味が変わってきます。

 でも、肉厚な乾燥しいたけだと、12時間ほどかかってしまうため、急いでいるときでも美味しく戻すコツがあります。

 しいたけをよく使われる方は、透明な空き瓶(コーヒーの瓶など)に水と干ししいたけをいれ、冷蔵庫にストックしておきます。
 必要なときに必要な分だけ使えるし、一週間ほど大丈夫です。もちろん戻し汁も少しずつ使っていけます。
 もしくは、しいたけの軸を折り、傘の部分も手で割って、ある程度小さくしてから水に浸し、冷蔵庫に入れて水戻しすると早く、美味しく水戻し
 できます。

 調理するときも、沸騰したお湯の中にしいたけを入れるのではなく、最初にしいたけと戻し汁を入れて、ゆっくり加熱していく方がさらに旨みを
 引き出します。

 僕らは、これら干ししいたけを美味しく食べる方法を、名付けて、「低温水戻し段階的加熱製法」(カッコイイ!!)と勝手に呼んでいます。
 だしの素を使わなくても、自然本来の旨みをぜひ味わってくださいね。



2007年6月号【Vol.7】   タイトル : 「しいたけの冷凍で旨みアップ!」

 しいたけって冷凍できるの?・・・できるんです。
 なおかつ、原木で栽培されたしいたけなら、冷凍した方が旨み成分であるグアニル酸の量が増えることが知られています。僕たちは子供の
 頃からそうしていたので凍らせた方が美味しいなとは思っていたのですが、以前NHKの番組でもその科学的なデータを元に説明していて、
 納得、納得。

 ちょっとしたコツをお教えしますね。

 鮮度の良いうちにしいたけを一口大に切り分け、タッパーなどに入れて冷凍すると、いざ料理に使うときに解凍して切る手間が省けてそのま
 ま料理に使えて便利です。
 冷凍して1ヶ月程度までなら、焼いたり炒めたりするどんな料理にも使え、香りが増しています!
 2ヶ月以上冷凍しているとだんだん干からびてきますが、一度水戻ししてから煮物や茶碗蒸しに入れてみてください。風味が生椎茸より良く
 なっているはずです。

 プロの料理人でもなかなか知らない裏技ですよ。
 ただしこれは、しいたけの肉質が密で固めの原木栽培されたしいたけのみ冷凍効果があるので注意してください。だまされたと思ってぜひ
 一度おためし下さい。



2007年6月号【Vol.6】   タイトル : 「しいたけの品種の話」


 トマトやイチゴなど多くの果実や、野菜には「熟れ頃、食べ頃」があるのは皆さんもご存じかと思います。
 実はしいたけにも「食べ頃」というのがあります。
 ココで、ちょっとクイズです。
 しいたけの傘が開いているものと閉じているもの、どちらが食べ頃だと思いますか?
 スーパーなどで値段の高いのは傘の裏側がぎゅっとつぼんでいるものなので、傘が閉じているものの方が食べ頃だろうと答える方が多いと
 思います。

 実は、しいたけの食べ頃は傘が開ききる直前の頃がもっとも香りがあって美味しいですよ。
 元々20年ほど前、流通していたしいたけは食べ頃で収穫されているしいたけがほとんどでしたが、菌床栽培のしいたけが流通するようになっ
 てから、傘がつぼんでいるしいたけが高値で取引されるようになりました。

 なぜかというと・・・

 (1)菌床栽培のしいたけはすぐに傷んでしまう。
 (2)しいたけが傷むときは、傘の内側の変色から始まる。
 (3)傘がつぼんでいるしいたけは、内側の変色が分かりづらいため、菌床栽培のしいたけは傘がつぼんでいるうちに収穫してしまう。
 (4)スーパーなどの量販店も、味ではなく、棚持ちの良いしいたけに高値を付けるようになった。
 (5)菌床栽培だけでなく原木栽培でも同様の規格で価格差が生まれ、生産者は傘がつぼんでいる状態で収穫するようになった。

 ちなみに、傘がつぼんでいても、開いていても、傷むスピードは変わりませんので、原木栽培のしいたけは開いているしいたけを選びましょう。
 ただし、かさの縁がなくなるほどや、反り返るほど開いたものは味が落ちているので、開ききる直前のものが一番いいですよ!

 当園では、「食べ頃」の状態で収穫するため、多いときは1日4回6時間おきに収穫しています。
 何より美味しいのは、採りたての食べ頃のしいたけをさっと焼いて塩をまぶして焼くのが一番ですね。



2007年6月号【Vol.5】   タイトル : 「しいたけの品種の話」


 しいたけといっても、栽培方法の違いで、原木栽培と菌床栽培の2種類あることはホームページでも紹介していますが、原木栽培でも菌の品
 種はなんと100種類以上あります。

 リンゴやミカンは、皆さんもご存じの通りいろいろな種類がありますが、しいたけにも、色や形、生えてくる季節、そして味まで、それぞれの品
 種で違います。一般的には色が白くて形の良い、栽培しやすい品種・・・というのが農家の間では最も多く栽培されていますが、肝心の「食べ
 たときの歯応えや風味」のある品種は栽培が難しかったり、見た目が悪かったりとあまり出回っていません。

 でも、僕たちは元々「自分たちが食べて美味しいと思う品種」のみを栽培してきたので、同じ原木栽培でもちょっとしたこだわりがあります。
 収穫するハウスの環境や、季節に応じて、僕たちは5品種を使い分けています。

 お客様の中で、冬に食べたしいたけと今のしいたけは色も形も違う・・・といわれることがありますが、まさにそれは品種の違いだったのです。
 5月から10月くらいまでは、通称「夏菌」と呼んでいる品種を栽培していますが、食感は「もちもちのプリプリ」、軸が太く、傘の部分も肉厚です。

 でも栽培が難しい・・・のが悩みです。まだまだしいたけ菌とのコミュニケーションが足りないなぁと思っています。

2007年4月号【Vol.4】
 タイトル : 「山育ちしいたけ 春子」


今年の春は暖かくなったり寒くなったりの気温差が激しく、椎茸もとまどっていましたが、やはり桜前
線と共に一斉に生えてきました。

山育ちしいたけとは・・・
一年に春と秋の年2回、山においてある椎茸の菌を植え付けた木から一斉に生えてくる椎茸のことで、
春に生えてくるものを「春子」と呼びます。

山育ちしいたけは、同じ原木栽培でも、よりダイナミックな風貌で身が締まっています。

特に春子は、冬の間に芽を出し、厳しい冬の寒さに耐えながらじっくり成長していきます。
その時の風雪に耐えながら成長した傷跡が、傘の表面に刻み込まれ、まるで亀の甲羅のような模様ができます。プリップリの歯ごたえと、ジューシーな椎茸汁があふれてきて、ぜひ炭火で網焼きにしてもらいたいです。



2006年7月号【Vol.3】 タイトル : 「カブトムシ発見!!」

7月○日。いつもの様にハウスで仕事をしていると、1匹のオスカブトを発見!!
「おっ」と思い、仕事途中ですぐに昨年古くなって捨てたホダ木の山へ向かった。ホダ木をどかし、穴を
掘ってみると案の定、カブトムシの成虫が見つかった。

まだサナギ状態のもいたので慎重に手で掘り出していると、子供の頃、兄達と夢中になり探していた頃をふと思い出した。

早速、4歳と1歳の息子達にプレゼントしたら、やっぱり大喜び。
本物の「ムシキング」をプレゼントできるのも、この仕事のいいところ!!



2005年7月号【Vol.2】  
タイトル : 「しいたけパワー」

しいたけは人間の体にとって、とても大切な栄養素がギッシリ含まれています。
その中の一つ、キノコ類に多く含まれる「エルゴステロール」についてご紹介しましょう。
「エルゴステロール」とは、ビタミンDの前駆体。しいたけを天日(紫外線)にあてる事でビタミンDへ成分が変化し、カルシウムの吸収を助ける働きをしてくれます。骨や歯の弱い人、妊婦、授乳婦、成長期のお子様、老年期の方をはじめ、また骨がかすかすになってしまう「骨粗しょう症」の予防のためにも摂取したい栄養素です。 毎日しいたけを食べている僕たちの両親は、骨密度が同年代の平均よりもかなり高く、お医者様もビックリするほど骨が丈夫なんですよ。それに“しいたけブラザーズ”の身長の秘密もここにあるのかも知れませんね。

【一口メモ】 生のしいたけの白い方を上にし、天日に1時間ほど当てるだけで、ビタミンDの成分が増えます。ぜひお試し下さい。



しいたけ水 2005年3月号【Vol.1】  
タイトル : 「体にやさしい しいたけのお話」 その1

しいたけは、古来より「不老長寿の霊薬」として珍重されてきました。特にしいたけでは、明の時代に呉瑞と
名乗る医者が、 「しいたけは気を益し、飢えず、風を治し、血を破る」とその著書に記してあります。
私たちは毎朝、しいたけ水なるものをコップ1杯飲んでいます。その日1日体が調子よく、風などひきません。
肌はつやつや、疲れ知らず、何か自然の人間のあるべき健康が維持されるような気がします。
それにつくり方もとても簡単!夜、寝る前にコップに乾燥しいたけ1枚と水を入れ冷蔵庫へ。翌朝その戻し汁を
そのまま飲んでいただくか、もしくはみそ汁のだしとして使って下さい。もちろんしいたけも是非お料理に使って
下さいね♪
しいたけには食物繊維が多く含まれ、何と!!しいたけ3枚で「サラダボール1杯分の食物繊維」を摂取していただけるのです。
もちろん腸の中もキレイにお掃除してくれるので、便秘の方には特におすすめです。
しいたけ水のつくり方は「しいたけレシピ」の中でも紹介しておりますので、ぜひ一度お試しあれ。


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