原木しいたけの栽培方法をはじめ、しいたけブラザーズの『こだわり』をご紹介しております。
江戸時代から始まったといわれる原木しいたけの栽培。
文明の発展とともに、さまざまな技術開発や機械化・品種改良、また栽培の効率化が図られましたが、自然の環境を利用し木の栄養だけで、しいたけを作るという基本は昔と変りません。
ほだ木作り (1)伐採・植菌 晩秋〜初春
山冬越しする前の樹木は、年間でもっとも栄養を蓄えていますので、紅葉が始まる頃よりナラやクヌギを切り出し、1mほどに切りそろえます。切り出した原木に穴をあけ、しいたけの菌を植え込みフタをします。
しいたけブラザーズでは、機械化による原木への穴あけ、植菌、封蝋(ふた)の自動化で、年間5万本を超える植菌に対応しています。
ほだ木作り (2)仮伏せ
植菌後、1〜2ヶ月間はビニールで覆い、保温・保湿します。
(春頃にビニールは取ります。)
※保温・保湿することで、しいたけの菌が原木を食べ始めやすくなります。
ほだ木作り (3)本伏せ・天地返し
春、気温が上がり始める頃、原木を組みなおして通風をはかり、適度に散水します。
しいたけ菌が原木内によく蔓延するように2ヶ月に1度、天地返しを行います。
接種後、250日から300日ほどで、まんべんなくしいたけ菌が原木を食べ、しいたけが発生できる準備が整います。
このような木を「ほだ木」といいます。
こぐち(原木の断面)に見えるのは木の繊維をつたって出てきたしいたけの菌糸。 植菌した穴から、まっすぐに出てきたことが、よくわかります。
一度切り、張り合わせたほだ木の断面。白いのは、しいたけの菌糸です。切った隙間にも、びっしり広がっていきます。
ほだ木が出来上がるころには、木はだいぶ軽くなり、樹皮もやわらかく弾力があります。
樹皮のすぐ下では「しいたけの芽」ができはじめ、発生のときを待っています。
しいたけの発生 (4)浸水
ほだ木に打刺激を与えた直後に冷水の中に沈めます。
6〜12時間後に水から上げてやや涼しい場所に2〜3日置くと、樹皮を破ってしいたけの芽が出てきます。
しいたけの発生 (5)発生
発生ハウスや山に移動し、ほだ木を展開します。
その後1週間ほどで、しいたけは収穫できるほどの大きさに
生長します。
収穫は1日3回、朝・夕・夜中。
しいたけの発生 (6)休養
収穫の終わったほだ木を休ませるため、別のハウスに移動させます。
約1ヶ月、散水と保温によって、しいたけ菌が新たに木の栄養を貯めて、次の発生に備えます。
気候やほだ木の状態に応じて
山の中で休養させることもあります。